すっとぼけYさん

「えー私知らないです」

また始まった。と心のなかでつぶやきます。

フロント長とYさんのやりとりが始まると少しピリピリしてきます。

「最後の更新がYさんになってるんですよね」

「あー、あの件でしたか、勘違いしてました」

ネタを明かすとYさんはすぐに口をわります。

ちゃんとシステムに残っているので誤魔化すことができないんですが、

彼女の癖でしょうか。常にごまかそうとするんですよね。

こんな人がフロントの仕事をこなしているのかとビックリします。

でも、こういう人でも役に立ちます。

反面教師のいいお手本です。

このYさんはかわいそうになるくらいみんなから嫌われています。

以前、あまりにもかわいそうなので、僕が考えた企画を一緒にしましょうか、と持ちかけました。じゃあやりましょう!となったんですが、話が進むに連れて「ん?」と思うことが多くなってきました。

いつのまにか彼女が考えて企画を行っている体になっていたんです。はっきりとは言いませんが、彼女の言葉の節々にそういう言い方を感じます。

一緒にやる!ということだけでいいと思いますし、他の人ならこんな気持になったことはありませんでした。

やはり、仕事は何の仕事をするかということよりも、誰とやるかが大事なのだと認識しました。

地味な形で反撃を食らったので、たいしたボディブローにもならなかったのですが、サーッと気持ちが冷めてしまい、では一人でやってください。と伝えてもうその仕事にふれることはやめにしました。

本当に大した内容ではないですが、これを気に興味がさっと引いたんですね。

人間には3種類あると思います。

好きな人、嫌いな人、どうでもいい人。

Yさんは間違いなく嫌いな人でしょうが、もうどうでもいい人になりました。

Yさんは職場で嫌われる要素を多分に含んでいるんでしょう。

普段の会話はそこまで鼻につくことはないのですが、

仕事の話となると、とたんに棘を出してくるのです。

きっと心が言葉に現れるのですね。

多分、自分もそうです。

僕の気持ちも相手に伝わっているんです。気持ちはバレてしまうものなのだな、と実感しました。彼女を反面教師として、こうならないように気をつけようという気持ちになります。

そう考えると、彼女との出会いも無駄ではないんですね、きっと。

いい人ばかりでは、そういったことに気づくことすらできませんし。

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